ペインクリニックとは


  • ペインクリニックという言葉は、まだまだ馴染みが薄いと思います。
  • ペインクリニックを日本語にすると「痛みの診療所」となります。
  • 「痛み」という症状に合わせて、診断・治療を進めていくのが特徴です。

神経ブロック注射

神経ブロック注射とは

| 実際どうするのか? |

ペインクリニックの代表的な治療に「神経ブロック注射」があります。

痛みを取ることで、痛みの原因を診断し、快適な日常生活が送れるようにお手伝いします。

痛みは、カラダの異常を知らせてくれる信号の役割があります。しかしその信号が長く続くと、痛みの悪循環によって更に痛みが増し、不安になり、気持ちまで落ち込んでしまいます。痛みをやわらげ、痛みの悪循環を断ち切ること自体が、病気の治療にもなるのです。

ここで大切なのは「単に痛みを取るだけではない」ということです。

人のカラダには自然治癒力があります。だから少しのケガなら何もせずに治ります。ただしそれには血液の流れが必要です。血液が豊富に流れていないと自然治癒は期待できません。血流が悪いと治るものも治らないのです。上で述べた「神経ブロック注射」の多くは交感神経をブロックします。そうすると血管が広がり、血流が良くなります。血の巡りを良くすることで本来カラダが持つ自然治癒力を高めることができるのです。

| 神経ブロック注射とは |

神経ブロック注射には、いくつかの意味がありますが、主に「痛みを取る」ことと「診断する」ことを目的とした注射です。

ここで強調しておきたいのは「一時的な痛み止めではない」ということです。注入する薬液は局所の発痛物質を洗い流し、炎症を急激に鎮めてくれます。注射で痛みが改善すれば、原因診断につながります。また同時に交感神経を抑制する効果で血液循環が改善します。血の巡りが良くなることで、原因疾患の治癒促進につながる、有力な痛みの治療法です。

安全な神経ブロックのために


以前は手の感触を頼りに、針を刺している本人にしか解からない

神業的なブロック注射がありました。

医療機器の進歩により、そうした難しい神経ブロックも誰もが目で見えるようになってきました。

  • レントゲン透視下神経レントゲン透視下神経
    ブロック
  • レントゲン透視下神経

    レントゲン透視下神経

    当院では安全・確実なブロック治療を提供するため、X線透視装置を用いたブロックを積極的に行っております。例えば帯状疱疹による痛みには、神経根ブロックがとても効果的です。神経根ブロックを確実に行うにはレントゲン透視が不可欠です。他にも原因のハッキリしない腰痛に対し、仙腸関節ブロックや椎間関節ブロックを施行できます。また硬膜外ブロックも必要に応じてレントゲン透視下に行うことで、より安全で確実なブロックが可能となります。

  • 超音波ガイド下神経ブロック超音波ガイド下神経
    ブロック
  • 超音波ガイド下神経ブロック

    超音波ガイド下神経ブロック

    検診などで、超音波をお腹に当てたりしたことがあるのではないでしょうか。
    それを神経ブロックに使いやすいよう進化させた超音波診断装置を使用します。
    血管や筋肉といった軟部組織の描出に優れ、目的の場所まで自分の進める針が見え、注入する薬液の広がりも確認できます。
    これにより盲目的に行われてきた従来の方法に比べ、より少ない薬の量で、同等以上の効果を得る事ができるようになりました。

代表的な注射


  • 星状神経節ブロック星状神経節ブロック
  • 星状神経節ブロック

    星状神経節ブロック

    頸部にある交感神経の集合体である星状神経節およびその周囲に薬液を注入する治療法です。主に頭頸部、顔、上肢、上胸部の疼痛性疾患、および末梢循環障害などに有効です。筋緊張を緩和し、血流改善を促しますので肩コリなどにも有効です。また現代人はストレスが多く、交感神経の過緊張により、よく眠れない、どこかスッキリしないといった体調不良を感じている方が大勢います。交感神経をブロックすることで全身的な効果が得られることがあります。
    当院では超音波ガイド下に施行します。症状に合わせアプローチ法を変えることでより限定的で有効なブロックになります。

  • 硬膜外ブロック硬膜外ブロック
  • 硬膜外ブロック

    硬膜外ブロック

    硬膜外とは脊髄を取り囲む硬膜の外側のことを指します。硬膜外腔に薬液を注入することで脊髄神経および交感神経を遮断します。顔を除き、頚椎、胸椎、腰椎、仙骨神経支配部位における除痛を選択的に可能にするブロック注射です。
    必要に応じてレントゲン透視下もしくは超音波ガイド下に施行します。

  • 神経根ブロック神経根ブロック
  • 神経根ブロック

    神経根ブロック

    脊髄神経が背骨と背骨の間から脊柱管外へ出た部分を神経根と呼びます。神経根およびその周囲に薬液を注入するのが神経根ブロックです。脊椎の専門医がいる整形外科でも行われる方法ですが、電気が走るような強い痛みを伴うことが多く「あの注射は2度と嫌だ」という声を聞きます。当院では手技を工夫し、痛くない神経根ブロックを心がけており好評を得ております。

  • 関節腔内注射関節腔内注射
  • 関節腔内注射

    関節腔内注射

    肩関節、膝関節をはじめ股関節、顎関節、肘関節、頭骨手根関節、足関節等に対して行うことができます。肩関節や膝関節は整形外科外来では頻用される注射です。当院ではいずれも超音波ガイド下に施行します。

  • 腱鞘内注射腱鞘内注射
  • 腱鞘内注射

    腱鞘内注射

    手根管症候群、肘部管症候群、ばね指、ドゥケルバン症候群などを対象にそれぞれ超音波ガイド下に行います。

  • 筋膜リリース筋膜リリース
    ( 筋膜間ブロック
    スキマブロック )
  • 筋膜リリース

    筋膜リリース

    筋・筋膜性疼痛症候群に対するブロック注射として発展してきました。筋肉を包み込む筋膜は隣接する筋肉(筋膜)と強調運動をしています。その筋膜間が癒着すると強調運動が損なわれ、痛みの原因になります。トリガーポイント(圧痛点)